おまけ。2年半後の村で。

「聞いたかい?!御領主様のお嬢様が駆け落ちなさったらしいよ」
「駆け落ちじゃないよ、誘拐されたんだよ」
「どっちでも同じさ。隠れた恋人だったって話じゃないか」
「そうそう、その相手っていうのがさ、あの時火祭りで一緒に踊ってらした騎士様らしいよ」
「へえぇ。そういや、息がぴったりだったものねぇ」
「二人で金の林檎を貰ってらしたよね」
「やっぱり金の林檎を貰うくらいだからね。お似合いに決まってるさ」
「金の林檎を貰うとそうなのかい?」
「そうさ、もともと結ばれるべき相手だったに違いないよ」
「きっとそうだよ、なんたって金の林檎だもの」
「なるほどねぇ、金の林檎を貰うと永遠に結ばれるんだねぇ」

・・・


 

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