Die Hoffnung 希望



 

<おかえり!>

「うわっ、飛びつくな!危ないだろ」

<危なくなんかないよ。ふぁきあがちゃんと受け止めてくれるもん。それよりちょっと来て来て!見せたいものがあるの>

「おい、分かったから、くちばしで引っ張るのはよせ」

<早く!ほら、あそこ!>

「ああ・・・待雪草か?やっと咲き出したんだな」

<ね?一番花だよね>

「一番花?」

<うん、だってほら、最初に出てきた星を一番星って言うじゃない?だから一番花>

「・・・ああ」

<特別な花だからね、絶対ふぁきあに見せなきゃ、って思って>

「・・・そうか。ありがとう」

<あと、こないだバラの花見せてくれたから、そのお返しv>

「いや、その、あれは、別に、そんな・・・」

<それよりさ、花が咲き始めたってことは、もう春なんだよね?もう自由に歩き回ってもいいよね?>

「・・・まだ雪が残ってるだろ。もう少し辛抱しろ」

<ケチ>

「ケチで結構。帰るぞ」

<あ、ねぇ>

「なんだ?」

<あの時の赤いバラね、なんとなくるうちゃんを思い出すなぁって思ってたんだけど、この白い花はなんかみゅうとみたいだよね>

「・・・」

<ね、そう思わない?>

「・・・みゅうとと言うよりむしろ・・・」

<うん?>

「いや、なんでもない」

<もー、ふぁきあってば、ひとには途中でやめるなって言うくせに>

「・・・おまえ、この花の花言葉を知ってるのか?」

<えっ?花言葉?>

「いや、いい、気にするな」

<なに?知らないんだもん、ちゃんと教えてよ>

「・・・おまえは知ってるよ」

<え?どういうこと?>

「俺がおまえに教える必要は無いってことだ。それより腹が減った。飯にしよう」

<あ、あたしもおなかすいてたんだった!・・・ねぇ、この花、あしたもあるよね?>

「・・・あるさ。明日も明後日も。だんだん増えていくはずだ」

<よかった!>
 
 

(どこよりも、お前の心に咲いている花だからな)


 

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