16. 再会

Lohengrin : Präludium zu Akt I 『ローエングリン』 第1幕への前奏曲
R. Wagner ワーグナー


出ました、ふぁきあ=ローエングリンのテーマ。本編(地下の湖での対カラス戦)で使われていたのは第3幕への前奏曲でしたが、ここでは第1幕の方を。うってかわって静かな情熱を感じさせる曲。激しくなりそうでならないところが、想いを心に秘めたまま理性で抑え込んでいる、という感じ。曲全体に薄く霞がかるように鳴り続けるバイオリンの響きは、まるで舞台を照らし出す月の光。終盤近くに現れる短い強奏部(ここのクレシェンドは鳥肌モノ!)は強烈で、あたかも抑圧された感情が突如溢れ出し、そしてまた抑えられて消えていくようです。

ちなみにアーサー王伝説のローエングリンはエルザを助けて結婚し、次の日には出て行った(オペラはここまで)あと、別の人と結婚してその人に殺されちゃうんですよね。つくづく結婚運の無い人だ・・・

かーるはもちろん薔薇な彼。ほんとはシディニア側の人間にした方が合うんですが、そうすると出番無くなっちゃうんで。あちこちで散々にけなされてる彼ですが、結構好きです。彼は最強ですね。『牧神の午後』も皆にボロクソに言われてる程にはヒドくなかったと思うんですが・・・まぁ時代が早すぎた、てことでしょうか。


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